訪れた日から急に気温が下がってしのぎ易くなり、
晴天のなかで砂嵐に襲われることもなく、
ピラミッドや大神殿など巨大な遺跡を堪能することができた


アラビア文字の看板
 夕食後、アテネ空港に入り、出国後0時57分に離陸して2時20分にカイロ空港に着いた。これからエジプトにいる間は寝る時間のない殺人的なスケジュ−ルが続くことになる。お迎えのバスに全員乗り込んだが一向に出発しない。護衛の兵隊が来るのが少し遅れたためとのこと。ルクソールの事件以来、外国人の観光バスにはホテルの案内人と兵士一人が必ず同乗し、パトカーの護衛をつける決まりになったのだそうである。以後、エジプト滞在中は護衛付きのVIP旅行になった。案内板の見慣れないアラビア文字にも驚いた。
 空港はローマ字併記だが、街中ではアラビア文字だけのところもある。とても個人旅行は出来そうにもないなと感じた。(日本も同じ事だとは後で気が付いた)




(エジプト観光初日)
4月4日(水)
ピラミッド・スフィンクス観光、ナイル川ナイトクルーズ
 朝4時にホテルに着いて8時15分にはモーニングコール。9時30分にホテルを出て、先ず3大ピラミッドのあるギザに9時50分に到着。ピラミッドは砂漠の中にある。入口にあるのは一番大きな高さ143mのクフ王のピラミッドだが、目の当たりに見るその大きさに先ず圧倒された。4500年も前の建造物というが、近づいてみると人の高さくらいある大きな石の積み重ねで出来ている。重機のない太古によくも造ったものだ。絵葉書では実感できない壮大さである。来て見て良かったとつくづく思った。

ギザの三大ピラミッド遠景


第1ピラミッド近景

 内部の玄室への入口では入場券の札切りや警官?がたむろしている。記念写真を撮ってもいいかと断って妻を入れて写真を撮ろうとしていたら、親切にも「二人で並んだところを撮ってやる」とカメラを構えてくれる人あり、案内人らしい人など写真に入ってくれる。親切有り難うとお礼を言ったら、先ず警官がおれに1$よこせという。切符切りも案内人にも皆に1$づつ渡せと命令口調でを要求してくる。2$渡して皆で分けて頂戴といってほうほうの態で逃げ出した。エジプトにいる間、どこでもこんな親切ごかしのやからがいっぱい押し寄せてきた。ルクソールの事件以来、観光バスは軍隊の護衛付きだし、このピラミッドの敷地内にも軍隊が陣取って危険因子の活動を監視しているが、このてのやからは人体に危険はないということらしい。

玄室入口の親切な人たち


軍隊常駐で厳重警備

 保存状態の比較的良い第2のカフラー王のピラミッドを通り過ぎて、一番奥にある一番小さい高さ20mのメンカウラー王のピラミッドまでバスで入った。ここでは玄室まで入って見た。狭い通路を腰をかがめながら進んで、暗い玄室にたどり着いたが、壁画があるわけでもなく、なんてことはない洞窟である。とはいえ、巨大な石造りの四角錘のなかにこんな空間を作って自分の墓にする神経とはなんだろうか。
 このピラミッドの奥は見渡す限りの砂漠が続いている。リビア砂漠である。カイロの市街の方を振返ると、砂漠の向うに忽然と街が出現したように見えた。カイロは巨大な都会だが、一歩郊外に出るとそこは一面の砂漠なんだ。砂漠の中の一つのオアシスに過ぎない。

カイロ市街は砂漠の中のオアシス

 ピラミッドの敷地内にはラクダをひいて歩いているラクダ屋が大勢いる。うっかり乗ると法外な言い値の乗馬代を払うまで降ろしてもらえなくなることもあるという。我々の観光ガイドさんに応援を頼んで交渉してもらって、妻をラクダに乗せてシャッターをパチリ。1$で済んだ。ラクダに乗るのは大変だった。馬より背が一段と高いので、乗り降りの時には前足を折ってお辞儀させる。ラクダのお辞儀はスムーズではないので、乗せるために立ち上がる時、降ろすためにお辞儀する時、どちらもギッタンバッタンとやるので、しっかりしがみついていないと乗っている人は振り落とされてしまう。あちこちでキャーという黄色い声が上がっていた。

ラクダに乗って御満悦

 次はスフィンクスの観光。第2のピラミッドの参道に大きなスフィンクスがあった。顔はカウラー王で身体はライオンだという、全長57m高さ66.5mのこれも巨大な像だ。鼻が削ぎ落とされて少し淋しそうだった。

淋しげな顔のスフィンクス


スフィンクスと第2ピラミッド

 近くのメンフィスに、ラムセスU世の巨像を二階建の室内に横たえて保存してあった。背の高さは15mあるとかで近くで見るとものすごく大きいのが分かる。建物の外には、透明感のある大理石アラバスター製のスフィンクスなどいろんな石像が並んでいた。

横たわるラムセスU世像

 昼食はナツメヤシの林の中にある屋外レストランで、鳩の丸焼き料理ハマームマシュウイをいただいたが、塩加減が日本人向きの味付けでなかなか美味しかった。一緒に出されたインドのナンのようなアエーシパラデイというパンも焼きたてでとても美味しかった。
 昼食後はサッカラの古王朝時代初期に作られた階段ピラミッドを見に行った。写真に撮られた階段ピラミッドは、全体像を見せるため遠景になっているので、それほど大きいものとは思っていなかったが、近くで見るとものすごく大きい。6段になっていて高さ60mもあるそうだ。また、祭殿、祭壇、柱廊などのピラミッドコンプレックスの形態が良く残っていた。奥の方に行くと、砂漠の中に沢山のピラミッドを遠望できた。

階段ピラミッド遠景


階段ピラミッド近景

 夕食はナイル河ナイトクルーズの船の中だった。ナイル川ってもっと川幅が広くて向こう岸が霞んで見えるのだろうと思い込んでいたので、実際のナイル川を見て意外と小さくて驚いた。せいぜい1km程度で、利根川の河口より狭い。カイロは照明の多い街ではないので、夜のクルーズでは景色が素晴らしいとは言えなかった。同行の横浜の人たちが盛んに横浜港からの夜景の素晴らしさを力説していた。2時間ほど食事をしながら、曲芸師の踊りとベリーダンスを楽しんだ。





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