秩父だより(1)

3月18日 曽野黎二

 ご存知の方もおられると思いますが、2月末 我が秩父の丘陵で50万年前の原人の遺構が発見されました。小鹿坂(オガサカ)遺跡です。今回の発掘分は6m×4m位の広さの中に、生活遺構 2ヶ所、石器埋納遺構3ヶ所です。石器の総数は38点。よくまあ50万年前と分かったなあ、「ほんまかいなあ」と云う気もしますが、専門家が堆積地層の分析をすれば、一発だそうです。 
 四方が見晴らしのきく、小高いところで、当時もそうだったらしく、場所、規模からみて狩の見張り、休憩小屋及び石器具の置き場、今流に言うとロジスチックスであった可能性が大です。 この山で日本かもしか、いのしい、鹿等を追っかけていたかと思うと感無量です。かの有名な北京原人も同じく約50万年前ですから、これで、人骨でも出てきたら、更なる大発見になるでしょう。
 今まで、日本で発掘されていた生活遺構として古いものでも2,3万年前のものですから、一挙に一桁以上オーダーが違うことになります。この時代には、既に火を自由にコントロールすることも出来たようですが、一体どんな生活をしていたか、遺構を前に考えるだけでも、一時の原始の世界に浸ることができるのです。
現在は遺構保存のため埋めもどされましたが、どうゆう場所であったかご興味ある方は、是非お越しください。ご案内します。
 西村貞夫さんは、「いきがい 3」で人類史をライフワークに・・・・と記述ありましたが、それであれば、まず真っ先に原人の生活環境を目の当たり探求するのが第一歩ですヨ。
お待ちしています。
                    秩父原人より古い秩父化石人より



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