No.097
マイポなど香港探鳥の旅

 10月26日から29日までツアーに参加して香港の鳥たちを見てきた。成田から香港まで5時間弱と近いが、夜の出発だったので初日はホテルで寝るだけ。最終日は午前の便で夕方に帰着。従って探鳥はわずか2日。渡り鳥の中継地・越冬地として有名なマイポ湿地、東南アジア固有の鳥たちが生息するタイポカウ、繁華街に隣接する九龍公園を訪れた。
 探鳥初日はマイポ干潟へ。九龍地区北部に位置するラムサール条約登録の広大な湿地である。入場には事前に許可申請が必要。9時に到着し手続きを済ませてマングローブ林の間の木道を干潟に急ぐ。海に面した観察舎から覗くと目の前にオグロシギ、ダイシャクシギ、アカアシシギなど各数百羽、やや遠いがソリハシセイタカシギとハシビロガモ各数百羽も群れる。時々群れで飛び回るさまは華麗かつ壮観。ただ、渡りの最盛期を過ぎているので種類は少ない。日本でも馴染みのミサゴ、トビ、カワウが時々上空を飛ぶ。観察舎は狭く先客10数人と我々26名で満員。5万羽超のシギ・チドリが集まる春の渡り時期は席の確保が厳しそう。


ソリハシセイタカシギたち(一番奥)

 昼食を挟み午後は後背地の池沼を巡る。日本では珍鳥のアカガシラサギ、タカサゴモズ、シロハラクイナが頻繁に、台湾で見たカワセミの仲間のアオショウビンとヒメヤマセミにも時々出会う。池端の小道ではムジセッカやキマユムシクイなど日本でも渡りの時期に見られる鳥やコウラウン、カオグロガビチョウ、アオハウチワドリなど珍しい東南アジアの鳥たちに出会う。所々に観察舎が設けられ水鳥を比較的近くで見られるのも有難い。


コウラウン

 3時前に切上げ九龍公園に。4時を過ぎたが土曜日とあって大変な人出である。オニカッコウ、サンジャク、シキチョウ、クビワムクドリ、ホンセイインコなどを観察する。多数の大木、数箇所の水場、実のなる木々が南の鳥たちを引きつけるようである。メジロやハクセキレイと石垣島などで記録のあるヨーロッパ産のクロウタドリの姿もある。


サンジャク

 二日目はホテル裏手にある大きな公園で早朝探鳥。三脚を担いだ異様な集団に太極拳に集まった老人たちが好奇の眼差しを向ける。九龍公園を回った後では格別珍しい鳥はいない。午前は広東省に近いタイポカウへ。川沿いのゆるい坂道を登りながら林の小鳥を探す。聞きなれない声がするが木が繁っていて姿が捉え難い。30分ほど登ったところが開けていて鳥が見やすい。同行講師の助けでアカハラコノハドリ、アカハシゴジュウカラ、ハナドリなど珍しい鳥たちを観察する。ここでもコサメビタキ、メジロ、スズメ、ハシブトガラスなど日本の鳥たちに出会う。午後はマイポに戻り前日見残した池沼を巡る。新顔は電線に止まるカタグロトビと台湾で見たオウチュウ。前者は迷鳥として沖縄に飛来しており是非見たい鳥の一つだった。4時過ぎに再び九龍公園に。日曜日の一層の混雑を縫ってサンジャク中心に探鳥。大きな鳥だが動きが速く大木の枝の間に入ると姿が捉えづらいがようやく全身の写真を撮る。これであわただしい2日間の探鳥を終える。総数は73種でこのうち日本で記録のある鳥が59種である。
 夕食は初日が北京料理、二日目が広東料理、昼は飲茶。夕食後はナイトツアーで初日は九龍側から音楽に合わせた13分のレーザー光線ショウを、二日目は香港島のビクトリアピークからの100万$の夜景を楽しむ。いずれも観光客で大変な賑わい。探鳥ツアーとしては初の試みだったようだが、なかなか粋な計らいである。


Simphony of Lights

(07.10.31)


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