No.069
伊吹山のイヌワシ

 10月28、29日、イヌワシを見に伊吹山に出かけてきた。伊吹山は滋賀と岐阜の県境にまたがる標高1377メートルの山で、関西では数少ない百名山の一つである。琵琶湖の北岸に聳え新幹線の車窓からしばしば見ているが、登るのは今回初めてである。
 ここでは絶滅危惧種のイヌワシが比較的高い確率で見られるとあって、関東からも多くのバーダーが押しかける。10月初めの鳥海山で見られなかったのを知った大阪在住の友人が声をかけてくれ、家内を伴い出かけた。
 前日、友人宅に泊まり翌朝6時に出発。名神高速道を関が原で降り、有料の登山道路17キロを辿る。登り始めは山頂付近は厚い霧で覆われていたが、次第にくっきりと姿を現わす。視界良好で絶好の鳥見日和となりそう。雨上がりでイヌワシの餌取りも活発なはずである。
 9合目の駐車場に車を止め、早速、山並みと深い谷を一望できる場所に望遠鏡を構える。既に手前の道路脇に10数台の車があり、何本もの超望遠レンズが並ぶ。朝食を済ませ待つこと30分、友人が後方の崖上に1羽を発見するも1〜2分で飛び去る。少し前から止っていたのかも知れない。次は前面に出るのを期待するも1時間過ぎても現れない。幾分気温は上がったが、山かげは依然寒い。家内は我慢出来ず往復1時間のルートを山頂に向かう。9合目からの百名山登頂は魅力的だが、その間にイヌワシが現れる可能性を考えると動けない。案の定、前方の山かげから突然、雄と雌の2羽が現れ、一旦樹に止まりほどなく谷間に消える。この間ほんの2〜3分。数枚シャッターを切るが、枝が邪魔してたり、飛翔にピントが合わず満足にはほど遠い。


イヌワシのカップル

 イヌワシは生態系の頂点に位置し、勇壮な姿と希少性故に多くの野鳥写真家が憧れる。羽を広げると2メートルを超す大きな鳥だが近くに来ることはまれで、音もなく現れ、消える。一瞬の出会いをいかに確実にものにするかである。初挑戦では証拠写真程度の出来で我慢しなければなるまい。


伊吹山 山頂付近

 11時過ぎに切り上げ、湖北町の野鳥センターに向かう。センターの中から湖岸に群れる多数のカモ類に加え、オオヒシクイやコハクチョウ各数十羽が見える。
常連のオオワシと珍鳥アカハシハジロが加わる本格的な冬鳥シーズンの幕開けが近い。後背の田畑にも渡り途上のニュウナイスズメやミヤマガラスの群れが忙しく動き回る。いずれも珍しい鳥たちであるが、イヌワシを見た後ではやや影が薄い。琵琶湖の夕景を楽しみながら湖岸の道を辿り帰路についた。
(05.11.1)



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